
約30年にわたり様々なクラスや講座を担当いただきましたマイケル・クルーズ先生が、8月にイギリスへ帰国されることになり、その最後の公開講座を7月に開催いたしました。(開催要項はこちら)
タイトルは『The Road Less Travelled』。内容は、先生が生まれてから日本に来るまでの歩み、そして日本での39年間の体験のすべてを振り返りながら、それを文学作品のテーマへとつなげていく、壮大でまさに人生の集大成というべきメッセージでした。
詩『The Road Not Taken』と‟他者へ目を向けること”
講演で取り上げられた『The Road Less Travelled』とは、アメリカの著名な詩人ロバート・フロストの詩「The Road Not Taken」の一節に由来します。しかしこの詩は「人が通らない困難な道(マイナーな道)をあえて選んだことで、人生が豊かになった」という意味に誤解されがちだと先生は指摘し、本当はそうではないと語られました。
作者が本当に伝えたかったのは、二つの道はどちらも大差ないということ。人は「自分が選んだ道の方が特別で素晴らしい」と思いたがるものですが、作者はそうやって自分を特別視しすぎる人間の性を、さりげなく皮肉っているのだと説明してくださいました。
先生自身もまさに「人が通らない道」を選んできた一人でした。しかし、自分の人生は特別で、人の行かない道を進んできたのだと思っていても、実のところ他の人たちとそう変わらなかった―と気づいたのだといいます。大切なのは自分中心になることではなく、他者に目を向け、他者のために何ができるかを考えること。「Pay attention to the others」と何度も力強く語る先生の姿が、強く心に残るお話でした。

講演中の様子と会場の様子
講演中、会場では先生による詩の朗読や、たくさんの思い出の写真等が映し出され、マイケル先生おなじみの抑揚のある引き込まれるような話し方に参加者の皆様が終始魅了されていました。お話が進むにつれて、会場からは感嘆のうなる声や頷きがどんどん強くなり、最後はあたたかな拍手喝采で講演が締めくくられました。
講演後のフェアウェルパーティー
講演会に続いて行われたフェアウェルパーティーでは、各テーブルに茶菓子をご用意しました。その中には、マイケル先生が日本で初めての茶会で召し上がったという、思い出の「志なの路」もありました。
これまでにマイケル先生が担当されたイングリッシュサロンやレギュラークラスを振り返るスライドショーを流したり、和やかな歓談の後、名古屋YWCAでマイケル先生のクラスを受講されていた受講生数名から、先生へ向けた感謝のメッセージやお礼のお言葉、そして講演会に関する質問が寄せられました。
また、皆様からの想いが詰まったメッセージカードと花束の贈呈も行われました。

参加者の皆さま、そしてマイケル先生へ
ご参加いただいた皆さま、温かいひとときを共に過ごしていただき、本当にありがとうございました。皆さまからの講義中の熱心なまなざしやあたたかなメッセージが、マイケル先生にとっても何よりの餞となったことと思います。
教養とウィットに富み、いつもスマートでお洒落なマイケル先生。その素晴らしいお人柄と深い教養があったからこそ、長年にわたり受講生をはじめ多くの方に深く愛され、たくさんの学びを与えてくださったのだと改めて感じます。
長年にわたり、英語サロンをはじめとする様々なクラスを通じて素晴らしい学びを提供いただき、私たちに多くの学びと笑顔を与えてくださり、本当にありがとうございました。
イギリスでの新たな人生の章が、健康と幸せ、そして素晴らしい日々に満ちたものでありますよう、YWCAスタッフ一同、心よりお祈り申し上げます。

